【なぜ30代から太りやすくなる?】最新の代謝研究でわかった“本当の原因”とは
「昔より食べてないのに太る…」
「頑張って運動しても、なかなか痩せない…」
そんな悩みを持つあなたへ。
実は、それには人間の一生にわたる“代謝の変化”*が関係しているそう。
2021年、デューク大学を中心とした国際研究チームが、6,400人以上を対象とした画期的な研究を発表しました。
その中には、「私たちが思い込んでいた代謝の常識」を覆すような事実が?
✅ 研究でわかった驚きの事実|基礎代謝は60歳まではほぼ一定
この研究(Pontzerら, 2021)は、生後8日〜95歳の男女6,400人を対象に、
**二重標識水法(Doubly Labeled Water)という最も正確とされる方法で総エネルギー消費量(TDEE)**を測定しました。
その結果、以下のような「代謝の4つの時期」が明らかに。
年齢 | 代謝の特徴 |
---|---|
0〜1歳 | 爆発的に高く、成人の1.5倍以上に達する |
1〜20歳 | 年齢に比例してゆるやかに低下 |
20〜60歳 | 驚くことに、基礎代謝はほぼ一定を維持 |
60歳以降 | 徐々に低下(10代の頃より平均で20%低下) |
✅ 結論:30代〜50代の間は、加齢による基礎代謝の低下は「ほとんどない」
✅ じゃあ、なぜ30代から太りやすく感じるの?
代謝は下がっていないのに、なぜ30代あたりから「痩せにくくなった」と感じるのか?
それには次のような**“代謝以外”の要因**が関わっているから。
① 筋肉量の減少(サルコペニアの始まり)
- 筋肉は、安静時でも多くのカロリーを消費する「代謝エンジン」
- 30代からは筋肉量が少しずつ減り始める(=基礎代謝の“質”が低下)
② NEAT(非運動性熱産生)の減少
- 通勤、仕事、育児などで意図しない運動量(日常活動)が減少
- これにより総エネルギー消費が低下し、「同じ食事量でも太る」状態に
③ ホルモンバランスの変化とストレス
- コルチゾール(ストレスホルモン)が高いと内臓脂肪が蓄積しやすくなる
- 睡眠不足もレプチン・グレリンなどの食欲ホルモンを乱す → 過食に
✅ 代謝を保つために、今できること
加齢による代謝低下が原因ではないなら、対策はあります。
以下のような日常の工夫が、代謝維持にはとても効果的です。
● 筋肉を減らさない(筋トレは最高の“抗老化”)
- 週2〜3回のウェイトトレーニングで筋量を維持
- 「筋肉を減らさないこと」=「太りにくい身体を保つこと」
● NEATを意識して増やす
- エレベーターより階段、通話中は立つ、買い物は歩く距離を増やす
→ これだけでも、1日で200〜400kcalの差になることも
● 睡眠とストレス管理
- 1日7時間以上の睡眠、ストレス対処(瞑想・湯船・趣味)
- ホルモン環境が整うことで、脂肪の蓄積を防ぎやすくなる
✅ まとめ|「年齢のせい」で諦めない
「30代から太るのは代謝のせい」
…そう思っていたあなたへ。
✔️ 最新の研究では、代謝は60歳までは大きく落ちないとわかっている
✔️ 太る原因は「筋肉量・活動量・ホルモン環境」の変化
✔️ 生活を少し見直すだけで、代謝は守れる
正しい知識を持てば、年齢に抗うのではなく「味方にする」ことも可能なのかも。
自分の体ともっと上手につき合っていけらいいね。って思います。
📎参考文献
- Pontzer H, et al. Daily energy expenditure through the human life course. Science, 373(6556), 808-812 (2021).
🔗 https://www.science.org/doi/10.1126/science.abe5017
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